視力の発達時期の間に治療することが大切です
当院では小児眼科にも力を入れています。院長は現在も昭和医科大学病院の兼任講師として、小児の患者様も診ております。視能訓練士とともに、お子さまの年齢や性格なども考慮して、お一人おひとり時間をかけてコミュニケーションを図りながら丁寧に検査・治療・訓練を行っています。院長自身、小さい子どもをもつ母親です。お子さまと優しく接し、親御さまには丁寧にご説明いたします。
院内の待合室にはキッズスペースを設け、待ち時間も楽しく過ごせる工夫をしております。検査室も明るく清潔です。お子さまがリラックスした状態で検査が行えるよう配慮しています。
乳幼児の検査風景
屈折検査
近視・遠視・乱視・不同視などの有無をチェックします。 早期に屈折異常がないかを検査することは、弱視の予防に非常に大切です。
幼児の屈折検査(オートレフラクトメータ)
「器械の中をのぞいてごらん。何が見えるかな?」
顎台にお顔が乗せられれば、2歳くらいから可能です。
乳幼児の屈折検査(ハンディレフ)
「じっと見ててね」
顎台にお顔が乗せられない乳児には、手持ちの器械で測定します。
乳幼児の屈折検査(スポットビジョンスクリーナー)
「ピヨピヨ 鳥の鳴き声がするよ」
少し離れた距離から瞬時に両目の測定ができます。
視力検査
一般に3歳以上になると自覚的視力検査が可能となります。もっと小さなお子様でも検査の方法によっては可能です。興味を引く視標を見せて、固視・追視、見え方の左右差をチェックすることは、大変重要です。
字ひとつ検査
「くるくるっと動かして、まねっこできるかな?」
C型のランドルト環をハンドルのように持って、視標と同じ向きに動かします。
絵視標検査
「なんの絵かな、鳥さん? ちょうちょさん?」
ランドルト環での検査が、まだ難しい乳幼児には、4種類の絵視標を使って検査します。
点視力検査 ドットカード
「ウサギさんにおめめついてるかな?」
ウサギやクマの目のドットの大きさを視標として検査します。
眼位検査
眼位検査
「まっすぐ、見れてるかな?」
外斜視、内斜視、上下斜視などの有無を検査します。
医師による診察
スリット検査
「少しだけ、まぶしいよ」
内反症(逆さまつげ)・アレルギー性結膜炎・先天白内障などの有無をチェックします。
眼底検査
「上手だね、これで最後だからね」
先天性の網膜疾患や視神経疾患の有無をチェックして、終了です。
お子さまの目の気になるサイン
- ものを見るときに目をほそめる
- テレビを前のほうで見る
- 片方の目をかくすと嫌がる
- 頭を傾けてものを見る
- 視線が合わない
- 子供の黒目がなんとなく寄っている気がする
お子様の目の障害は、早期発見・早期治療がもっとも大切です。 小さなお子様は自分で正確な症状を訴えることができない場合が多く、また、お子様の目の障害は外見だけでは気づきにくいため、見過ごされてしまうことが多いです。視力の発達過程の大事な時期にお子様の目の状態をしっかりとチェックすることが大変重要です。 少しでも気になる症状がございましたら、是非ご相談ください。
乳幼児が行う検査
屈折検査
近視、遠視、乱視、不同視などを調べる検査です。屈折異常がないかを調べることで、弱視を予防します。顎台に顔が乗せられる2歳くらいのお子様の場合、器械の中を覗いて見えるものを答える、オートレフラクトメーターを使用。顔が乗せられない乳児の場合は、手持ちのハンディレフで測定を行います。
視力検査
3歳くらいになると、視力検査ができるようになります。さらに小さなお子様の場合でも、検査方法によっては調べることが可能です。小さな頃から固視、追視、見え方の左右差をチェックすることは、とても大切です。検査には下記の3つの方法があります。
字ひとつ検査
C型のランドルト環をハンドルのように持ち、指標と同じ向きに動かします。
絵視標検査
字ひとつ検査が難しいお子様には、4種類の絵視標を使い、なんの絵か当ててもらう検査を行います。
点視力検査 ドットカード
ウサギやクマの目の大きさを指標として、検査を行います。
眼位検査
眼の動き方を見て、外斜視、内斜視、上下斜視について調べる検査です。お子様にはかわいい絵を見せながら、楽しく検査を行います。
スリット検査
眼に光を当てて、逆さまつ毛、アレルギー性結膜炎、先天白内障などがないかを調べます。
眼底検査
レンズを使って眼底を観察し、先天性の網膜疾患や視神経疾患の有無をチェックします。
乳幼児の注意すべき病気
弱視
お子さまの視力は、物を見ることで発達していきます。目から受けた刺激を脳がきちんと受け止め処理するプロセスが視力の発達に必要です。この視力の発達期に、目からの情報が脳にうまく伝えられないと視力の発達が妨げられ、未発達の状態である弱視となります。原因として、強い遠視、近視、乱視、左右の屈折度数の違いや斜視などがあげられます。視力の発達期間はとても短く、8歳ごろには成長が終了してしまいます。そのため、弱視はできるだけ早期に発見し、視力の発達期間内に治療を行うことが大変重要です。
気になる方は少しでも早めの検査をお薦めします。検査は3歳未満でも可能です。お子さまと楽しくコミュニケーションを図りながら検査・治療を行っていますのでお気軽にご相談ください。
斜視
片方の目は目標のものに視線が向いているのに、もう片方の目が違うところを見ていて左右の視線にずれがある状態を斜視といいます。ずれている方の目を使わなくなるため弱視になってしまったり、2つの目から得た情報を脳でひとつにする機能(両眼視)がうまく育たず、ものを立体的に見ることができなくなってしまいます。斜視の原因は目を動かす筋肉や神経のバランスの乱れ、遠視によるものなどがあげられます。今以上にバランスが崩れたり、弱視を引き起こしたりしないよう、早期治療がとても大切です。
当院での弱視・斜視の検査と治療
弱視・斜視の検査
・視機能の検査
視力、眼位、立体視など、お子さまの年齢や状態に合わせて検査を行います。
・正確な屈折度数の検査
お子さまの目は調節力(ピントを合わせる力)が強いため、正確な屈折度数(遠視、近視、乱視の度数)を把握するためには、調節を休ませるお薬(調節麻痺の点眼薬)を使用し、精密な検査をします。
弱視の治療
1メガネトレーニングの開始
点眼薬による精密検査の結果をもとに、メガネを処方します。お子さまは、順応性が高く、約2週間でメガネに慣れることができます。きちんと度の合ったメガネをかけ続けることが治療の第一歩です。当院では、メガネをかける大切さを親御さまだけでなく、お子さま本人に分かりやすく説明しています。また、お子さまお一人おひとりに適したメガネの大きさのアドバイスもしています。トレーニングの成果を一緒に喜び、励ましながら治療を進めています。
2アイパッチの開始
メガネトレーニングだけでは十分に効果が出ない場合、視力の良い方の目にアイパッチ(目に貼るばんそうこうのようなシール)を貼り、治療中の目を強制的に使うことで視力の発達を促します。アイパッチはお子さまにとっては大きなストレスとなることが多いです。当院では、お子さまそれぞれに適した治療プログラムをたて、アイパッチノートを発行・管理しています。スタッフみんなでお子さまのがんばりをサポートしています。
弱視の治療
・メガネトレーニングの開始
点眼薬による精密検査の結果をもとに、メガネを処方します。お子さまは、順応性が高く、約2週間でメガネに慣れることができます。
きちんと度の合ったメガネをかけ続けることが治療の第一歩です。
当院では、メガネをかける大切さを親御さまだけでなく、お子さま本人に分かりやすく説明しています。
また、お子さまお一人おひとりに適したメガネの大きさのアドバイスもしています。トレーニングの成果を一緒に喜び、励ましながら治療を進めています。
・アイパッチの開始
メガネトレーニングだけでは十分に効果が出ない場合、視力の良い方の目にアイパッチ(目に貼るばんそうこうのようなシール)を貼り、治療中の目を強制的に使うことで視力の発達を促します。
アイパッチはお子さまにとっては大きなストレスとなることが多いです。当院では、お子さまそれぞれに適した治療プログラムをたて、アイパッチノートを発行・管理しています。スタッフみんなでお子さまのがんばりをサポートしています。
当院での斜視の検査と治療の流れ
斜視の検査
・眼位の検査
・両眼視検査
・正確な度数(屈折)の検査
斜視の治療
1メガネ矯正
遠視などの屈折異常の場合は、メガネをかけて矯正します。プリズムメガネ(光を屈折させることにより、左右の視線のずれを補正できる)をかけることもあります。
2アイパッチ訓練
良い方の目を隠して、ずれている目を使って物を見る訓練をします。
3手術
斜視が目立つ場合は、手術によって眼位を整えます。その場合は、院長が昭和大学病院でより詳細な検査を行った後、手術の手配を行います。
斜視の治療
・メガネ矯正
遠視などの屈折異常の場合は、メガネをかけて矯正します。プリズムメガネ(光を屈折させることにより、左右の視線のずれを補正できる)をかけることもあります。
・アイパッチ訓練
良い方の目を隠して、ずれている目を使って物を見る訓練をします。
・手術
斜視が目立つ場合は、手術によって眼位を整えます。その場合は、院長が昭和大学病院でより詳細な検査を行った後、手術の手配を行います。
近視の進行抑制プログラムについて
当院では小児期における近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っております。この治療は参天製薬「リジュセア®ミニ点眼液0.025%(低濃度アトロピン)」を1日1回就寝前に点眼することで、現在の近視の進みを抑制する治療法です。
参天製薬とシンガポール国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュートにより共同開発され、2024年12月に厚生労働省より製造販売が承認された点眼薬です。お子様にも使いやすい「一回使い切りタイプ(防腐剤フリー)」となっています。
近視の進行を抑制することが大切な理由
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれ生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
また、近視は高度な近視の場合、回復不可能な視力喪失、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障に発展する可能性もあるといわれています。リジュセア®ミニ点眼液0.025%には眼軸長を伸展させる働きに関連するムスカリン受容体をブロックする効能があると言われています。
リジュセア®ミニ点眼液の効果
リジュセア®ミニ点眼液は、眼の奥行きを伸ばす原因となる「ムスカリン受容体」という部分に働きかけ、眼軸の伸びを抑えることで、近視の進行を抑制する効果が期待されています。
リジュセア®ミニ点眼液の特徴
リジュセア®ミニ点眼液の特徴は下記になります。
■ 日中の瞳孔(黒目)の大きさに対する影響は許容範囲ですが、まぶしさを感じる場合はサングラスを使用することでまぶしさを軽減することができます。
■ 目の遠近調節機能(手元を見る作業)にほとんど影響を与えません。そのため、近見視力の低下にあまり影響を与えず、近用の眼鏡はほぼ必要ありません。
■ 毎日必ず就寝前に 1滴点眼する治療法です。
詳細については下記リンクをご参照ください。
対象となる方
- 5歳以上
- 治療プログラムに従った通院・定期検診が可能な方
- 医師により適応と判断された方
注意事項
- 現在の近視を進みにくくすることを目的とする治療です。今ある近視を治し裸眼視力を回復させるものではありません。
- 保険診療との併用不可:近視に対する治療は、検査から処方まで全て自由診療(=自費で全額自己負担)となります。同じ疾患に対して保険診療と自由診療を併用することはできません。
- 眼鏡・コンタクトレンズ処方も自由診療(=自費で全額自己負担):近視進行抑制治療中は、眼鏡やコンタクトレンズの処方も自由診療の対象となります。
- 学校検診:リジュセア®ミニ点眼液0.025%による治療中は、学校検診用紙の記載に係る検査・診察につきましても、自由診療(=自費で全額自己負担)となります。学校検診で視力検査の用紙をもらった方は、リジュセアの定期検診の時にお持ちください。
- 別疾患の治療:アレルギー性結膜炎・眼外傷(目のケガ)など近視とは無関係の疾患については、保険診療が可能です。ただし、診療録や会計は明確に区分されます。
- 副作用への対応:リジュセア®ミニ点眼液0.025%の副作用(充血など)に関する治療も自由診療となります。
治療の流れと費用
■ 治療対象であるかを確認 (保険診療)
まずはじめに、リジュセア®ミニ点眼液0.025%による近視抑制治療が可能かどうか調べるため、適性検査・診察を行います。場合によっては、調節麻痺剤を用いた屈折検査を行います。(検査所要時間約1時間30分、検査後に眩しさ、ぼやけを感じる時間が長くて3日あります。)
近視の程度によっては、眼鏡処方する場合もあります。
■ 適応の方には下記のスケジュール(自由診療)で治療を開始
治療の詳細な説明と同意書取得を行い、下記のスケジュールと自由診療で治療を行います。
治療スケジュール | 費用合計(税込) | 詳細内訳(税込) |
---|---|---|
初回 | 7,680円 | 診察・検査:3,300円 点眼薬(1箱):4,380円 |
1か月後 | 16,440円 | 診察・検査:3,300円 点眼薬(3箱):13,140円 |
3か月ごと | 16,440円 | 診察・検査:3,300円 点眼薬(3箱):13,140円 |
当クリニックでは、1年ごとに1年間の眼軸長測定のグラフをお渡しします。
※別途 眼鏡を処方する場合 眼鏡処方箋料 1100円(税込)
コンタクトレンズを処方する場合 コンタクトレンズ検査料 1100円(税込)
がかかります。
リジュセア®ミニ点眼液の使用方法について
寝る前に両眼に毎日1滴ずつ点眼します。
リジュセア®ミニ点眼液 (小児近視治療) Q&A
Q1: 副作用はどんなことがありますか?
A1: 主な副作用は、点眼後7~10時間ぐらい眩しさを感じたり、ぼやけることがあります。稀に痒み、動悸、目の充血、喉の渇きなどが生じる場合もあります。当院では初回は1箱のみ処方して副作用の確認をしています。
Q2: 視力は回復しますか?
A2: 基本的には近視の進行のスピードを遅らせることが目的の治療であり、裸眼視力回復を目的とする治療ではありません。(稀に調節緊張による「仮性近視」には、調節緊張緩和による視力回復が若干期待できることもあります。)
Q3: どれぐらいの期間、治療を継続したらよいのでしょうか?
A3: 医師の指示なしに点眼を止めないでください。点眼を中止すると近視が急に進むリバウンドが生じる可能性があります。なお、治療は10代後半まで継続することが推奨されています。
Q4: メガネやコンタクトレンズとの併用は可能でしょうか?
A4: 可能です。点眼はコンタクトレンズ非装用時に行って下さい。
Q5: 自費診療なのはなぜでしょうか?
A5: リジュセア®ミニ点眼液0.025%は厚生労働省から近視進行抑制という効能で承認されていますが、現在の健康保険制度では保険適用の対象外となっているためです。
日本眼科学会、日本近視学会、日本眼科医会から保険外併用療養費制度の対象となるよう要望が提出されていますが、現時点では全額自己負担の自由診療となります。
Q6: 学校検診で視力低下を指摘された場合の検査は保険診療になりますか?
A6: リジュセア®ミニ点眼液0.025%による近視進行抑制治療中の場合、学校検診後の検査も自由診療となります。学校検診で視力検査の用紙をもらった方は、リジュセアの定期検診の時にお持ちください。
Q7: 治療を中断した場合、通常の保険診療に戻ることはできますか?
A7: リジュセア®ミニ点眼液0.025%による治療を中止した場合、翌日以降は保険診療に戻ることが可能です。
ただし、短期間で中止と再開を繰り返すことは適切ではありません。
Q8: 他院で同様の治療を受けていた場合、継続して当院で治療を受けることはできますか?
A8: 可能です。他院での治療内容や経過についての情報があると、よりスムーズに治療を継続できます。
Q9: 治療効果はどのように評価されますか?
A9: 定期的な視力検査、屈折検査、眼軸長測定などを通じて、近視の進行状況を評価します。一般的に眼軸長の変化が最も重要な評価指標となります。当クリニックでは、1年ごとに1年間の眼軸長測定のグラフをお渡しします。